「便秘」についてのお話
今回は悩まれている方も多いのではないでしょうか?そんな「便秘」について、広津外科・消化器外科医院(久留米市原古賀町)の広津順先生にお話を聞いてきました。
院長 広津順
便秘について
たかが便秘、されど便秘。便秘で悩まれてある方は多いと思います。
便秘は単に便が長期間出ないことと思われがちですが、排便の間隔は個人差が大きく、3~4日に1回程度でもすっきりとした気持ちの良い排便があるならば必ずしも便秘とはなりません。逆に毎日排便があっても、便が硬く、強くいきまないと出ない、排便の後に便が残った感じがするなどの状況に困っている場合は、便秘の可能性があります。
便秘の種類
◆一過性の便秘
旅行などによる環境・生活習慣の変化、緊張やストレス、一時的な食物繊維や水分不足から起こるもので、時間が経つと多くは自然によくなります。
◆慢性的な便秘
1.腸が狭くなったり、ふさがっている場合
大腸がんなどの腸の病気によって腸の通過障害がある場合、便秘になります。便秘に加えて、便に血が混じる、貧血がある、急に体重が減ったといった症状がある場合は医師に相談しましょう。
2.腸や肛門がうまく働かない場合
便が腸をなかなかスムーズに通過しない場合と肛門近くまで便がきているにもかかわらず、何らかの原因で排便ができない場合に大きく分けられます。糖尿病などの病気や、うつ病の薬によって起こる場合もあります。便意を繰り返し我慢していると、肛門の筋肉がうまく緩まずに便が出にくくなります。
治療法
まずは、食事・生活習慣の改善です。
適度な運動、十分な水分と食物繊維の摂取など食生活の改善、規則的な排便時間(便意を我慢しない)が大切です。それでもよくならない場合は、医師に相談しましょう。医師が処方する薬には、
●便の水分量を増やして軟らかくする薬
●腸の動きをよくする薬
●腸内の水分を吸収して便の量を増やす薬
●腸を直接刺激して排便を促す薬
などがあり、それぞれ患者さんに合わせた薬が処方されます。
市販の便秘症薬の多くには、腸を直接刺激して排便を促す薬の成分が含まれており、長期に使用することで服用する量が増えてしまったり、逆効果になってしまったりすることがあります。慢性的に便秘で困ってある方は、自分だけで判断せずに、早めに医師に相談しましょう。
投稿日:2013年08月08日(木)